もしもの時に備えて、遺言書を残しておきたい
● 遺言とは?
遺言とは、あなたが一生懸命築き上げた財産を、あなたの意思で、あなたの思う人への分配方法を書面に残したものです。
一般的には「ゆいごん」と呼び、書面を「遺言書」と書いたりすることが多いですが、正しくは「いごん」と呼び書面のことも「遺言」と書くのが正しいです。
法律により定められた厳格な様式に従って遺言を作成する必要があり、様式を満たさない遺言は無効となる可能性があります。
● 遺留分とは?
遺留分とは、法律により定められた、相続人が必ず相続することができる最低限の割合のことです。
全ての財産を他人に遺贈する内容の遺言をしても、相続人は遺留分に当たる部分については、遺贈を受けた者に対して、遺留分侵害額請求をすることで、原則として自己の相続分の2分の1に相当する金銭の支払いを請求することができます。
遺言を作成するときは、相続人の遺留分を侵害しないよう注意をする必要があります。
遺言を作成した方がいいケース
「遺産は兄弟姉妹ではなく、配偶者にすべて相続してほしい」
子や両親がいない場合、配偶者のほか兄弟姉妹(甥姪)も相続人となります。遺産を疎遠な兄弟姉妹に相続してほしくない場合は遺言が必要です。
「事実婚・同姓のパートナーに遺産を取得してほしい」
戸籍に配偶者として記載されない限り遺産を相続することはできません。苦楽をともにしてきたパートナーに財産を残すためには遺言が必要です。
「相続人の仲が良くないため遺産分割でもめる可能性がある」
遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。遺産分割協議のトラブルを予防するために遺言を活用することができます。
「親族以外のお世話になった方にも遺産を分配したい」
相続人以外の方に遺産が渡ることはありません。遺産の2分の1までは遺留分を検討することなくお世話になった人に遺贈できます。
遺言の種類
民法には、「普通方式」と「特別方式」の遺言が規定されています。特別方式の遺言は、今まさに死期に面しているときに作成する危急時遺言と刑務所等に収容されていて普通方式の遺言を作成できないときに作成する隔絶地遺言があります。これらは極めて特殊な状況ですので、ここでは検討する必要がありません。
これから遺言を作成しようとする方には、3種類の普通方式の遺言を紹介いたします。
自筆証書遺言
遺言者が書面に、全文・日付・氏名を自筆して、捺印します。
本文は必ず自筆で書く必要がありますが、財産目録に関してはパソコンで作成することも可能です。ただしその場合、全ページに署名・捺印する必要があります。
また作成した遺言書は自ら保管し、相続が開始した後は家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
ただし2020年より法務局で自筆証書遺言書を保管するサービスが提供されており、そちらを利用した場合には検認を受ける必要がありません。
公正証書遺言
公証役場で、遺言者および2人以上の証人の立会いのもと公証人が遺言を作成します。そして遺言者が内容を確認し、署名捺印をすることで完成します。
遺言のプロである公証人が作成するため、自筆証書遺言と異なり様式不備で無効となってしまうリスクが低く、信用性も高いためご自身の意思を確実に遺すことができます。
また、公正証書遺言の原本は公証役場で保管され、家庭裁判所の検認を受ける必要がないので相続手続きをスムーズに進めることができます。
秘密証書遺言
その名の通り、遺言の内容を誰にも知られず、自分だけの秘密にできる遺言方式です。
遺言書に署名捺印し封筒に入れた上で、封筒にも遺言書と同じ印を押します。
その後公証役場において、証人2人以上の立会いのもと、自らの遺言であることを公証人に確認してもらいます。
自分で作成する場合は、様式不備等がないか注意が必要です。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 | |
---|---|---|---|
作成者 | 本人 | 公証人 | 本人 |
ワープロ作成 | ✕ | 〇 | 〇 |
費用 | 低 | 高 | 中 |
確実性 | × | 〇 | × |
内容の秘密性 | ✕ | ✕ | 〇 |
保管 | 本人 ※1 | 公証役場 | 本人 |
検認 | 必要 ※2 | 不要 | 必要 |
証人 | 不要 | 2人 | 2人 |
おすすめ度 | 〇 | ◎ | ✕ |
※2 法務局で保管する場合は家庭裁判所の検認は不要
●遺言を作成する際に注意すべきこと
相続人の方がお持ちになった遺言が様式を満たさず無効である場合や、相続人の遺留分を侵害しているためトラブルになることは多々あります。遺言を作成するときは以下の点に注意してください。
丈夫な紙に読みやすい字で書く
財産を特定できるようにする
遺留分に注意する
用語に注意する
付言事項をつけて相続人の気持ちをなだめる
見つけてもらえるように信頼できる第三者に保管してもらう
遺言は以上のことに注意していただければ、書くことができます。しかし、専門家が遺言書の作成にかかわることで、あなたの意思を確実に実現し、あなたが一生懸命築いてあげてきた財産をあなたの意思通りに分配することをお手伝いいたします。
遺言書の定額料金プラン
当事務所では、皆様の意思を確実に遺言に遺していただける定額報酬プランをご用意しております。
自筆証書遺言
遺言作成サポート
8万8千円(税込)
※財産価額が1億円を超える場合、10000万円ごとに1万1000円を加算
法務局に保管する場合
実費3900円
申請書作成費用3万3000円
公正証書遺言
遺言作成サポート
8万8千円(税込)
※財産価額が1億円を超える場合、10000万円ごとに1万1000円を加算
公証人費用
下表の通り定められています
※証人を当事務所で用意する場合、1名につき1万1000円を加算
公証人費用の一覧表(公証人手数料令第9条別表)
●証書作成費用
財産の価額 | 手数料 |
---|---|
100万円 | 5000円 |
200万円 | 7000円 |
500万円 | 1万1000円 |
1000万円 | 1万7000円 |
3000万円 | 2万3000円 |
5000万円 | 2万9000円 |
1億円 | 4万3000円 |
3億円 | 4万3000円+1万3000円(5000万円ごとに加算) |
10億円 | 4万3000円+1万1000円(5000万円ごとに加算) |
10億円超 | 4万3000円+7000円(5000万円ごとに加算) |
●遺言手数料
財産の価額 | 手数料 |
---|---|
1億円までの場合のみ | 1万1000円を加算 |
公証人の費用の計算例
1億円の財産を配偶者に5000万円、子に5000万円相続させる場合
2万9000円(配偶者の証書作成費用)+2万9000円(子の証書作成費用)+1万1000円(遺言手数料)
ご依頼の流れ
❶ ご連絡
まずはメール・電話にて相談内容をお伺いし、相談の日程調整をします。ご相談の際にお持ちいただく書類をお伝えいたします。
❷ 無料相談、出張相談
弊所またはオンラインにて、相続手続きについてのお悩みやご不明点にお答えいたします。
ご依頼をご検討中の方には、サービス内容の説明や費用の説明をいたします。
➌ ご依頼
相談の後、ご納得いただいた場合はご依頼いただきます。その際には必ず重要事項説明や報酬規程の提示をし、業務の内容や料金など全ての不安にお答えした上で契約させてていただきます。
➍ 相続財産の調査
相続財産がどれほどあるのかをヒアリングした上で、不動産や現金、預貯金、株など調査いたします。
➎ 遺言書の作成
公正証書遺言の場合は、弊所と公証人が打ち合わせをして、後日公証役場に出向き遺言の内容を確認と署名押印をしていただきます。
自筆証書遺言の場合には、原案を作成し、確認していただいた後署名押印をしていただきます。
➏ 遺言書の作成完了
遺言書の内容に見直しの必要が生じましたら、随時ご相談ください。
無料相談のご案内
東京都足立区の北千住駅から徒歩7分の場所に事務所を構えております。
相続手続き、遺言書の作成、ビザ申請、不動産登記、企業法務はもちろん、法律でお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。他士業とも連携し、幅広いお悩みに対応いたします。
初めてのご相談・お見積りは無料で承っております。料金は正式にご依頼いただくまで発生しませんので、ご安心ください。