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「夫から相続する予定の自宅を、将来は長男に譲りたい」「将来購入する不動産の分け方を決めておきたい」といった場合、遺言書には将来取得する予定の財産についても記載することができます
この記事では、遺言書の書き方や注意点について、行政書士が分かりやすく解説します。

1.将来の財産も、遺言に書ける?

遺言書は「いま持っている財産」について書くものと思われがちですが、将来取得する予定の財産についても記載することができます
例えば、夫婦が同時に遺言書を作成する場合に、妻が「将来、夫から相続する可能性がある財産」を自分の遺言書に盛り込んでおくといったケースです。これにより、自分が亡くなった後に、夫から受け継いだ財産をさらに誰に引き継がせるかをあらかじめ指定しておくことが可能になります。

2.将来の不動産を相続させる、2つの書き方

将来取得する不動産を遺言に書く場合、その特定方法には大きく分けて2つの方法があります。

2-1.特定の相手から取得することを条件に書く

遺言者である山田花子さんが、夫の山田太郎さんから相続する予定の土地を、娘の田中春子さんに渡したいときの書き方です。

第〇条
遺言者が、遺言者の夫山田太郎から、下記不動産の所有権を取得していた場合は、同不動産を、遺言者の長女田中春子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(建物)

所在
家屋番号
種類
構造
床面積

〇〇区〇〇町〇丁目〇番地〇
〇番〇
居宅
木造スレート葺2階建
1階 50.00 m
2階 50.00 m²

(土地)

所在地番
地目
地積

〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇〇
宅地
〇〇〇.〇〇㎡

2-2.「一切の不動産」として包括的に書く

将来、取得する不動産を特定できない場合には、次のように書きます。
特定可能な財産(すでに所有している不動産など)を書いた後に、この文言を入れておきます。

第〇条
その他遺言者が有する一切の不動産を、遺言者の長女田中花子(昭和〇年○月○日生)に相続させる。

3.記載漏れを防ぐ「一切の財産」という表現の活用

不動産の記載ミスをしてしまったり、記載漏れの財産があった場合、その財産については、遺言通りの相続手続きができなくなるリスクがあります。
これを防ぐためには、遺言書の最後に「その他遺言者の有する一切の財産を、長女〇〇に相続させる」といった条項を入れておくことをおすすめします。
これにより、遺言に載っていない財産についても誰が受け取るかを明確にでき、相続人全員で遺産分割協議をする手間を無くすことができます。

4.よくある質問

Q. 遺言に書いた不動産を、将来もし取得できなかったらどうなりますか?
A. 遺言は相続開始時に遺言者が持っている財産を対象とするため、取得できなかった部分については効力が生じないだけで、遺言書全体が無効になるわけではありません。


Q. 将来取得する不動産も「登記事項証明書」の通りに書くべきですか?
A. はい、不動産を特定できる場合は、法務局で取得できる登記事項証明書(登記簿謄本)の通りに正確に記載しましょう。不正確な表記はトラブルのもとになるため、注意しましょう。


Q. 遺言執行者を決めておいたほうがよいですか?
A. 将来の財産が絡む場合、手続きが複雑になる可能性があるため、司法書士などの専門家を「遺言執行者」に指定しておくことをおすすめします。遺言執行者がいれば、他の相続人の協力を得ることなく、スムーズに名義変更などの手続きを進めることができます。


5.将来の財産まで見据えた遺言作成を

将来相続する予定の不動産まで含めた遺言書を作成しておくことは、二次相続(次の世代への相続)まで見据えた優れた生前対策です。ただし、権利関係が確定していない財産を扱うため、文言には慎重な判断が求められます。
「自分の想いを確実に形にしたい」とお考えの方は、ぜひ一度専門家へご相談ください。法律の専門知識に基づき、将来のトラブルを未然に防ぐ最適な遺言書の作成をサポートいたします。

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岡野 由佳梨

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行政書士 岡野 由佳梨

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