
相続では、不動産の名義変更や預貯金の解約など、多くの手続きが必要になります。中でも、特に手間がかかる戸籍の収集・提出の負担を大幅に減らすことのできる「法定相続情報一覧図」について、利用できる手続き、メリット、注意点、取得方法を、司法書士が分かりやすく解説します。
1.法定相続情報一覧図とは?
相続手続きを進めるには、亡くなった方の出生から死亡までの一連の戸籍と相続人の戸籍を提出して、誰が相続人であるかを証明する必要があります。
「法定相続情報一覧図」は、この戸籍一式の代わりとなる文書です。
この文書を利用すると、銀行や法務局などで、大量の戸籍を何度も提出する手間を省くことができます。

2.この制度を活用する3つの大きなメリット
2-1.複数の手続きを「同時並行」で進められる
従来の戸籍を使い回す方法では、一つの窓口で戸籍が返却されるまで次の手続きに進めず、非常に時間がかかっていました。
一覧図は、必要な通数(一度の申請で最大10枚まで)分発行を受けられるため、銀行や法務局など、複数の手続きを同時に進めることができ、完了までの時間を大幅に短縮できます。
2-2.持ち運びや管理が容易になる
戸籍は、場合によっては何十通も集める必要があり、その管理はとても大変です。
法定相続情報一覧図を利用すれば、A4サイズの証明書1枚を提出するだけで済むため、手続きがスムーズになります。
2-3.発行手数料が「無料」
法定相続情報一覧図は法務局で発行することができ、発行手数料は無料です。1通350~750円もする戸籍を何セットも取得すると費用がかさみますが、この制度を活用することで、コストを抑えることができます。
3.どのような手続きで利用できるの?
一覧図は、以下のような幅広い相続手続きに活用できます。
①不動産の相続登記(名義変更)
②預貯金の相続手続き
③相続税の申告
④自動車の名義変更手続
4.活用する際の注意点とアドバイス
法定相続情報一覧図は、あくまで「相続関係を証明する戸籍一式」のみの代替です。
相続手続きに遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書が必要な場合は、それらの書類も複数セットで用意しないと、同時並行で手続きを進めることはできません。
また、作成した法定相続情報一覧図は5年間保存され、その間であれば再交付を受けることができます。
基本的に有効期限はありませんが、銀行や証券会社などの手続きでは「3カ月以内」や「6カ月以内」といった独自のルールを設けている場合もあります。提出先ごとに事前に確認しましょう。
5.複雑な相続手続きをスムーズに進めるために
複数の不動産や銀行口座がある場合、「法定相続情報一覧図」を利用することで、その後の手続きの負担が大きく減らすことができます。
この制度を利用するための戸籍収集や一覧図の作成は、司法書士、弁護士、税理士、行政書士などの専門家に依頼することも可能です。司法書士であれば、正確な書類作成から、その後の相続登記まで一括して任せることもできるため、忙しい方や相続関係が複雑な方は、ぜひ専門家への相談を検討してみてください。
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司法書士
劉 洋

司法書士 劉 洋
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6.よくある質問
Q. 「法定相続情報一覧図」は、誰が作成できますか?
A. 相続人のほか、司法書士、弁護士、行政書士などの専門家に依頼できます。戸籍の収集から一覧図の作成までまるごと任せることもできます。
Q. 「法定相続情報一覧図」に有効期限はありますか?
A. 原則として有効期限を設けていません。ただし、提出先の銀行や証券会社によっては「発行から3カ月以内」などの期限を独自に定めている場合がありますので、事前に確認することをおすすめします。
Q. 全国の法務局で作成できますか?
A. いいえ、作成できる場所は決まっています。被相続人(亡くなった方)の本籍地や最後の住所地、申請人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地、いずれかの法務局を選ぶことができます。








