高度人材ビザは、特に高度な経験や能力を持つ方を対象にした優遇措置が特徴で、日本でのキャリア形成を考える上で大きな魅力があります。
本記事では、高度人材ビザ取得の鍵となる「学歴要件」に焦点を当て、そのポイント計算方法や有利な大学の条件、さらに2025年の最新情報まで詳しく解説します。

高度人材ビザ(高度専門職)とは?

高度人材ビザは、高度な知識やスキルを持つ人材を優遇するために2012年に導入されました。
おもに「教授」「研究」「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」などのビザを申請する方が対象となります。
このビザを取得するには「高度専門職ポイント計算表」に従って、学歴、職歴、年収、年齢などの要件を計算をし、合計70点以上を獲得する必要があります。
高度人材ビザには次のような特典があります。

在留期間が5年に最初の申請から5年間の在留期間が付与されます。
家族の同伴や就労:配偶者の就労が可能となるほか、条件付きで両親の同伴も認められます。
永住権が早く取れる:通常は10年かかる永住権の申請が、最短1年で可能になります。

学歴のポイント計算方法

今回はご相談いただくことが多い「高度専門・技術分野(1号ロ)」と「高度経営・管理活動(1号ハ)」について解説していきます。

学歴加算
申請者が持つ学位に応じて、以下のようにポイントが加算されます。
複数の学位を保有」を除いて、加算できる項目は1個だけです。

高度専門・技術分野1号の場合
博士号(専門職学位を除く)30点
 大学院の博士課程を修了し、博士論文の審査に合格した者。
経営管理に関する専門職学位25点
 一般に「MBA」や「MOT」などと呼ばれる。
修士号または専門職学位20点
 大学院の修士課、専門職大学などで学位を得た者。
学士号またはこれと同等以上10点
 四年制大学で学士号を取得している場合。
⑤複数の学位を保有+5点
 複数の分野で、修士や博士、専門職学位を取得している者。

高度経営・管理活動(1号ハ)の場合
経営管理に関する専門職学位25点
 一般に「MBA」や「MOT」などと呼ばれる。
博士号修士号または専門職学位20点
 大学院の修士課、専門職大学などで学位を得た者。
学士号またはこれと同等以上10点
 四年制大学で学士号を取得している場合。
複数の学位を保有+5点
 複数の分野で、修士や博士、専門職学位を取得している者。

特別加算
学歴について、条件を満たせばさらに点を得られる特別加算があります。
①日本の大学または大学院を修了」を除いて、加算できる項目は1個だけです。

①日本の大学または大学院を修了+10点
世界大学ランキング300位以内の大学を卒業10点
 QS・ワールド・ユニバーシティ・ランキング等に載っている大学が対象となる。
スーパーグローバル大学創成支援事業対象校を卒業10点
 文部科学省が指定する、グローバル人材育成に注力している学校が対象となる。
イノベーティブ・アジア事業パートナー校を卒業10点
 アジア地域の大学が対象となる、国際協力に基づいた指定校。

学歴の特別加算について、2025年の最新情報

(1) 加点対象大学の拡大

スーパーグローバル大学創成支援事業対象校」は2014年に対象校が採択され、加算の対象となるのは日本国内のトップ型の13校のみで、東京大学や京都大学などいわゆる「旧帝国大学」や一部の有名私立大学が対象でした。
その後、地方国公立大学やその他の私立大学も加点対象に含まれるようになり、対象校が拡大されました。
今後新たな採択や変更がされる可能性があるため、最新情報の確認が必要です。
(対象校を見る⇒文部科学省のHP)

加点対象となる大学(2025年2月時点)
国公立大学
北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学、千葉大学、東京外国語大学、東京芸術大学、長岡技術科学大学、金沢大学、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大学、熊本大学
公立大学
国際教養大学
私立大学
慶應義塾大学、早稲田大学、会津大学、国際基督教大学、芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、法政大学、明治大学、立教大学、創価大学、国際大学、立命館大学、関西学院大学、立命館アジア太平洋大学

(2) 世界大学ランキングの変動

加点対象となるには、世界大学ランキングに入っている必要があります。ランキングは毎年更新されるため、申請する時には必ず最新情報の確認が必要です。
対象となるランキングは3個あり、外国の大学は2個以上300位以内に入っていれば対象となります。
日本の大学はランキングに入っていれば順位を問わず加点対象となります。
例えば、中国の南京大学はQSランキングでは145位、THEランキングでは65位にランクインしているため加点対象です。

QS世界大学ランキング(クアクアレリ・シモンズの英語HP)
THE世界大学ランキング(タイムズ・ハイアー・エデュケーションの英語HP)
世界大学学術ランキング(Shanghai Ranking Consultancyの英語HP)

加点対象となる日本の大学(2025年1月時点、あいうえお順)
※申請の際は必ず最新情報をご確認下さい。
 
 愛知医科大学、会津大学、青山学院大学、秋田大学、茨城大学、岩手大学、宇都宮大学、愛媛大学、大分大学、大阪医科薬科大学、大阪公立大学、大阪工業大学、大阪大学、岡山大学、岡山理科大学、沖縄科学技術大学院大学、お茶の水女子大学
 香川大学、鹿児島大学、神奈川大学、金沢大学、金沢医科大学、関西大学、関西医科大学、関西学院大学、北里大学、岐阜大学、京都工芸繊維大学、京都大学、京都府立医科大学、近畿大学、久留米大学、九州工業大学、九州大学、熊本大学、群馬大学、慶應義塾大学、工学院大学、神戸大学、高知工科大学、高知大学、国際基督教大学
 佐賀大学、埼玉医科大学、埼玉大学、札幌医科大学、産業医科大学、滋賀医科大学、芝浦工業大学、島根大学、順天堂大学、昭和大学、上智大学、信州大学、総合研究大学院大学、静岡県立大学、静岡大学
 千葉工業大学、千葉大学、中央大学、中部大学、筑波大学、帝京大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京医科大学、東京海洋大学、東京工科大学、東京工業大学、東京慈恵会医科大学、東京電機大学、東京都市大学、東京都立大学、東京農業大学、東京農工大学、東京理科大学、同志社大学、東邦大学、東北大学、東洋大学、徳島大学、獨協医科大学、鳥取大学、富山大学、富山県立大学、豊田工業大学、豊橋技術科学大学
 長岡技術科学大学、長崎大学、名古屋工業大学、名古屋市立大学、名古屋大学、奈良女子大学、新潟大学、日本医科大学
 浜松医科大学、一橋大学、広島大学、兵庫医科大学、福井大学、藤田医科大学、法政大学、北海道大学
 名城大学、明治大学、三重大学、宮崎大学、室蘭工業大学
 山形大学、山口大学、山梨大学、横浜国立大学、横浜市立大学
 立教大学、立命館アジア太平洋大学、立命館大学、琉球大学、龍谷大学
 和歌山県立医科大学、早稲田大学

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ビザ取得後の永住申請や家族の呼び寄せなど、将来を見据えたプランを提案いたします。

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